鳥人間コンテスト!新木先生にインタビュー!

本日は、この秋まで人力飛行機サークル「東京科学大学 Meister(マイスター)」で活動されていた東工ゼミの新木先生にお話を伺います!

「Meister」は、毎年鳥人間コンテストへの出場を目指して人力飛行機を設計・製作するサークル。学生たちが協力してゼロから機体を作り上げるという、とても本格的な活動をしています。

— 鳥人間コンテスト、私もテレビで観たことがあります!新木先生はサークルでどのような活動をされていたのですか?

新木:私はプロペラを専門で作る活動をしていました。プロペラは飛行機のパーツとしては小さいですが、その分少しの誤差が大きく性能に響いてしまう繊細なパーツです。指で段差が感じられなくなるまでやすりでやすったり、様々な薬剤を使うことで表面をきれいに仕上げたりなど様々な工夫をして製作してきました。

— プロペラは美しい曲面なのですね。この曲面はどうやって設計するのですか?

新木:必要な性能にあったプロペラの形を出力してくれるプログラムを毎年改良しながら使っています。

— プロペラの形を計算するのは東工大が得意とするところでしょうか。材質はなんなんですか?

新木:サカイオーベックスさんが作っているCFRPという炭素を使った軽くて強靭な繊維です。それをエポキシ樹脂で固めます。

— どうやってこの曲面を製作するのですか?3Dプリンターとか?

新木:3Dプリンターは凸凹するのでうちは使いません。こんな感じです。

新木:これをこう!そしてこうなってこうです!(文章では説明が難しいので詳しく知りたい人は新木先生まで)

— そうだったんですね。鳥人間コンテストを目指す中で、大変だったことや印象に残っていることを教えてください。

新木:個人的に大変だったことは、練習飛行でプロペラが折れてしまったことです。

— この黄色いプロペラが!!!

新木:プロペラは一つ作るのに材料代で数万円はかかりますので費用的な面でも大変でしたし、頑張って作ったものが壊れてしまったという点で精神的にも大変でした。ですが、みんなで協力して製作方法を変えることで、壊れたものより良い性能を持ち、これまでより頑丈なバージョンアップされたプロペラをつくることができました。

— そうして、今年の鳥人間コンテストの結果は...?

新木:残念ながら、離陸直後に墜落してしまい、目標にしていた距離まで飛行することができませんでした。原因は特定されているので、後は後輩がそれを踏まえて、よりよい機体を作ってくれることを期待しています。

— う〜ん結果は残念でしたが、こんなに大きな機体を学生だけで作ったなんて驚きです。最後に、これから学んでいく学生たちに向けてメッセージをお願いします。

新木:最後まで読んでくれた方、ここまで読んでいただいてありがとうございます。私たちは一年間、必死に作って自信をもって臨んだ機体で大失敗をしてしまい、それぞれが努力が報われなかったという思いや、あそこでああしていれば、、などの後悔を抱くことになってしまいました。ですが大切なことは前を向くことだと思っています。少し休んだ後、私たちはしっかり原因を解明し、後輩へとバトンをつないだのち、各々が自分の将来に向けて日々努力しています。後輩たちも私たちの無念を背負い、前を向いて必死に活動を続けてくれています。皆さんの中にも勉強や部活など様々な活動を通して、頑張ったけれど報われなかった経験や何か後悔をしてしまった経験など苦しい思いをしてきた、もしくはしている人は多いと思います。ですが人生の少し先輩として、少し休憩したらそれを糧にして前を向いて立ち上がってほしいなと思います。きっと東工ゼミの先生方も立ち上がるサポートをしてくれると思いますし、悩んでいること等ありましたら気軽に声をかけていただきたいです!

新木先生は物質理工学院の無機材料系に所属されており、先日の工大祭の七宝焼作成体験で会っている人も多いかもしれません。
東工ゼミでは頻繁に会うことができますよ!